第280回 源氏物語とお菓子
第280回 源氏物語とお菓子
大河ドラマの「光る君へ」が始まつた。一話で三郎がまひろに
お菓子を渡す所があった。
この時代どんなお菓子やったんやろ?
源氏物語に出てくるのは「椿餅」。34帖「若菜上」では
「つぎつぎの殿上人は簀の子に円座めして、わざとなく、
椿もちゐ、梨柑子やうの物ども、様々に、箱の蓋ともに
とりまぜつつあるを、若き人々、そぼれ取りくふ 」
とあり若者たちが椿餅を食べている様子が伺える。
源氏物語の注訳書には「もちひの粉に甘葛(あまずら)
かけて椿の葉であわせたもの」と書かれている。
餡は入ってなかったみたい。あまずらというのんは蔦の
樹液を煮詰めた古代の甘味料です。
もう一つこの時代のお菓子が枕草子に出てくる。
三条の宮におわしますところという段に
「いとおかしき薬玉どもほかよりまいらせたるに青さし
という物をもてきたるを」
と書かれている。「青麦を煎って臼にて磨ればよりたる
糸の如し。よって青刺しという。」椿餅と違って今は無い
お菓子やさかい想像がつきません。
この時代蜂蜜や砂糖は高貴な人びとに薬として使われたそうな。
さて中村軒のある桂は平安時代から貴族の山荘が営まれ、
その一つに藤原道長の「桂家」または「桂山庄」と呼ばれる
別業があってこれが現在の桂離宮の前身になったのではないか
といわれてます。道長の日記「御堂関白記」によると幾たびか
桂家が利用されていると書かれている。
この山荘は「源氏物語」松風の巻にみえる桂殿のモデルになった
と伝えられてる。桂殿で遊ぶ光源氏に対して主上から
「月の澄む川の遠なる里なれば桂の影は長閑けかるらむ。」と歌が
届けられる。
桂離宮の創始者の八条宮智仁親王は細川幽斎から古今伝授をうけ
さらに源氏物語相伝を受けている。当代を代表する文化人やった。
桂の地に源氏物語の思いを馳せて離宮を作られたに違いない。
あれこれ源氏物語と縁のある桂に是非お越しください。
椿餅は一月で終わりますけど、うぐいす餅 よもぎだんご等
美味しい2月です。皆々でお待ちしております。
ほなこの月もめでたしめでたし。
- 2024.02.01 Thursday
- 西京区(桂・嵐山・洛西周辺)
- 10:00
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- by nakamuraken